自由研究におだし食育

夏休みもそろそろ折り返し。小・中学生のお子さんがいらっしゃるご家庭はそろそろ、提出物の仕上げが気になる頃かもしれませんね。スタート当初からコツコツ計画的に宿題や課題を進めたお子さんも多いとは思いますが、わが家のこれまででいうと、お盆明けくらいから模造紙を買って自由研究にアタフタしはじめるというのがわりかし多かった気がします。ということで、このお盆のおうち時間に、シマノタネのだしソムリエが熊本ならではの自由研究ネタをひとつご紹介します。

注目したいのは、熊本の日本一のひとつ、雑節。
カツオを用いた本枯れ節や荒節は、鰹節として知られていますが、それに対して雑節は、うるめいわし節やあじ節、宗田節、さば節など、かつお節以外のだし素材となる節の総称です。魚を茹でたあと、水分を飛ばしながら煙で燻してゆっくりと乾燥させ、焙乾(ばいかん)と呼ばれる製造法で保存性を高める昔ながらの知恵がつまった雑節。 用いる素材によっても味わいや香りの特徴が異なります。例えば、さば節は深いうま味と酸味の少なさが特徴。うるめいわし節は雑味が少なく香りと独特の旨味で関西風のお出汁に欠かせぬ素材のひとつといわれます。むろあじ節は甘味やコクが魅力。宗田カツオを用いた宗田節は力強さを感じる味わいなので他の出汁素材とブレンドすることでより重厚なお出汁をつくることができます。さまざまな雑節をかけ合わせることで深いうまみや香りを引き出すことができるので、鰹や昆布と並んで和食に欠かせない素材ともいえます。そんな雑節。実は、熊本県天草下島の最南端に位置する牛深の港が、生産量全国一位を誇る港でもあるんです。


牛深で作られた雑節は、ヤマキやマルトモといった大手のだしメーカーーにも出荷されていて、丸亀製麺のだしの甘さや、関西以南のどん兵衛スープのうまさを支えてもいるのだそう。知らず知らずのうちに味わっている人も多そうですよね!

ということで。前置きが長くなりましたが。誰もがよく知る出汁のこと。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食日本人の伝統的な食文化」のこと。地域の産業を学ぶ機会や、食育の一環として。うってつけの「おだしキット」に削り節のプロ「削りぶしのやまいち」さんのご厚意で、夏休みの自由研究にも役立ちそうな動画のおまけをつけてきました。おだしキットを使った出汁のひきかただけでなく、お出汁のナゼナニ?的なQ&Aもおさめられた特製動画。お盆やすみのおうち時間に、自由研究の糸口に。是非お使いいただけたら幸いです。帰省自粛をなさる方も多いと思いますが。離れて暮らすおじいちゃんおばあちゃんと、お孫さんとでスマホ越しに同時調理を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。計量なしで使える手軽さも魅力なので、画面越しでも特別な一杯を共有できるのではないでしょうか。


4人分のうどん出汁が手軽にひけて、自由研究ネタや、離れて暮らす家族との対話にもつながる「おだしキット」は、鶴屋百貨店地下一階「ふるさと家」で販売中です!