天草西海岸フットパス・・・のためのみち探しランブリング。
近所に友達が多かったこともあり、子どもの頃の遊び場のひ
とつでもあった大江教会。あの頃の感覚をもう一度、味わっ
てみたくって、大江教会の裏側の道を探し歩いてみることに
しました。
同じ大江といっても、海側と山側の風情は大きく違うもの。
朝、帰港する漁船の音で目覚めるくらい海に近いところで育
った私にとって、教会周りの起伏のある地形は幼いながらに
も(小学生くらい)いつも新鮮に感じられていたものです。
畦道とも里道ともつかないような畑の間の道をたたたたたっ
と駆け回り、木の実や草を摘んでみたり、日曜の礼拝が行わ
れている教会から漏れ聞こえてくる歌声に耳を澄ませてみた
り、教会のやわらかな鐘の音で「早く帰らなきゃ!お母さん
に叱られる!」と焦ってみたり(笑)。そんな記憶を呼び戻
しながらのみち探しは、懐かしくもあり、新しい発見やひら
めきもあり、とにかくワクワクしっぱなしのひとときでした。
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私道だからちょっとルートにしがたいのだけど、ここから上
がったらステキなんだよな・・・と思っていた道を、井澤さ
んが見つけてくれ。「ここは?通ってみたいよね」といって
くれた時には心の中で小さくガッツポーズ(笑)。参加いた
だいた皆さんが「お邪魔します」「歩かせてもらいます」と
いいながら歩いてくださる様子や、その先に待っていた風景
に「わぁっ!」と歓声が聞こえてきたときのうれしさったら
ありません。
ただ、こういったところはあくまで私道。今回は幼なじみの
家へつづく道でもあったので、友達のお母さんにお願いし、
歩かせていただいたのですが、こうした道を歩かせていただ
くにはやはり、全戸に呼びかけて住民の皆さんにもご理解を
いただきながら、少しずつ「歩いていいよ」と言っていただ
ける道を見つけていくことも必要だなとあらためて思ったの
です。暮らす人のご負担になってはいけませんものね。
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去年、この地の歩みを物語るものとして、空撮させていただ
いた教会周辺から海側への眺望を、地上から体感できたらい
いのにな。ということで、「もう少し上にのぼって下れる道
ありませんでしたっけ?」と振興会長の嶋田さんとも相談し、
「だったら、ここがよかよ。いつも私もウォーキングしとる
けん」と連れて行っていただいたみち。それはまさに、フッ
トパス的にも「欲しかったサプライズ的風景」そのもので、
みんながこぞってカメラやスマホを向ける様子のまぶしさっ
たら!
子どもの頃に見知っていたはずの風景が、私だけでなく、外
の方の心も動かし、「ステキね」と言っていただけることっ
てつくづくうれしく、誇らしいものですね。こういう感覚を、
地域の中に暮らす人たちにも味わっていただきたいな。でき
れば、子どもたちにも。一度島を出ても帰りたいと思える要
素や、あの地があるから頑張れると思える要素のひとつに、
きっとなるはずだもの。
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ところで収穫を終え、次の作付けのために耕されたばかりの
やわらかな畑に並んだちいさな足跡がかわいくて、思わずシ
ャッターを押してみましたが、これってよく考えるとタヌキ
の足跡。タヌキといえば、イノシシと並んで里山の菜園を荒
らす害獣のひとつです。つい先日は、下田でもシカが目撃さ
れたとも聞きます。耕作放棄や、ほったらかしにされた実が
増えれば、そうした害獣被害も増えていく。
水俣の湯の鶴温泉の奥に広がる頭石地区で勝目さんや、菊池
の水源地区の区長さん、龍ヶ岳の大作山の皆さんの言葉など
を思い出し、噛み締めながら、フットパスと同時にやりたい
ことをもうひとつ一歩先へと進めていこうと心に決めました。
大江のフットパスランブリングを通じて、これから先、この
集落の皆さんと一緒に取り組んでいきたい近い未来の予想図
が、白黒からカラーになって見えてきました。中の人と外の
人とつながりながら、ひとつずつ、叶えていこうと思います。
ここの風土は、これまでもそうしてできてきたのだもの。実
は、明日、歩かせていただく西平集落では、すでにこうした
ことを見据えた耕作放棄地の再耕作をはじめていただいてい
たりもします。ホントにうれしい、ありがたい泣。。。
少子高齢化の進む過疎の地域ではありますが、人の手が入り
すぎていない土地がたくさんあるって一方で見るととても価
値のあること。だからこそ、できる取り組みもあると思って
います。一過性のアクティビティ的な「体験」ではなく、
「この地の風土をつくるもの」「営みの継承」「里山里海を
つくること」などを意識した取り組みにつなげていけるよう、
いろんな方のお知恵やお力をかりながら、あたためていけた
らいいな。
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歩いて楽しい。
訪れる人も、地域に暮らす人も、地域を思う人にもうれしい、
そんなフットパス+αの取り組み。
一緒に楽しんでいただける方も随時募集中です^^