松本さんの和紅茶とソフトクリーム

過日の水俣でいただいた、常軌を逸した紅茶ソフト。初めてこれと出会ったのは、3年ほど前の和紅茶サミットだったでしょうか。バラが咲き誇る園内で、たくさんの紅茶とともに味わったあの日の衝撃を、今もはっきりと覚えています。「こっ、濃い!」。飲む紅茶よりも何倍も濃縮された紅茶感。以来、どの紅茶ソフトや紅茶アイスの類を食べてもいつもこのソフトクリームのことを思い出していました。イベント出店の際にしかお目にかかれないこのソフトクリームをもう一度味わえるなんて。お邪魔するときは想像もしていなかったので、「ソフトクリーム食べます?」って言われたときの嬉しさったらありません。BGMは小川のせせらぎ。口の中に、鼻の奥に、芳醇な和紅茶の香りが広がって、全身を包み込んでいきました。

あぁ、しあわせ。。。

あ、すみません。また余韻に浸ってしまったw

水俣市の薄原桜野。標高300mの高地で育つ「桜野園」のチャノキは、祖父から父へ、父から松本和也さんへ受け継がれたものです。

和也さんは、およそ3haの茶園のすべてを何年もかけて無農薬・無化学肥料栽培に切り替えていきました。さらに、そのうち一部は有機肥料も使わない自然栽培で育てています。「県内外のお茶仲間にも、できる人には無農薬無肥料をすすめているんです」と話す和也さん。

その背景には、風土に根ざした環境保全に取り組むこの地の歴史がありました。日本の高度経済成長とひきかえに起こってしまった悲しい歴史。「人の手で失われた自然は、人の手で取り戻す」「ひとと地球にやさしいものづくりを」。水俣の海や大地と向き合い、いのちを支える食を生み出す方々に出会うたび、そんな覚悟のようなものを感じます。

「桜野園」の松本和也さんの言葉の端々から感じるのも、そうした思いでした。今回、「鶴屋百貨店ふるさと家」の店頭で、松本和也さんの紅茶を置かせていただけることになったとき。3種類の紅茶を並べさせていただきたいと思ったのは、そうした思いや姿勢にふれていただく機会をつくりたいと思ったからです。売り切れになっていた商品も昨日、追加納品させていただきました。

店頭には他にも、梶原さんや天野さん、坂口さんのそれぞれの紅茶が揃っています。水俣芦北の四天王の紅茶が味わえるセットなども並んでいるので、是非覗いてみてくださいね。あ、ちなみに思わず我を忘れて語ってしまったこちらの紅茶ソフトクリームは、黒川温泉の「山のいぶき」というジャージ牛乳のお店で味わえるようになっているそうです。こちらもぜひどうぞ!

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