マーマレード考

今日は「マーマレードの日」

「今日はマーマレードの日です」とカレンダーが教えてくれたので、今朝はお気に入りのマーマレードをたっぷりぬったバゲットと、先月仕立てた夕映茶をいただきました。柑橘の香りって、他の果物よりもすっきりと目が覚める気がするのは私だけでしょうか。目が覚めたついでに、「ところでマーマレードの日って何よ?」と調べてみたら、ちょっと気になる表記に行き着きました。

「オレンジデーからちょうど1ヶ月の5月14日をマーマレードの日と定めた」。いや、ちょうど1ヶ月っていうけどあなた。そもそも「オレンジデー」ってなんですか?初めて目にする記念日だらけで、目覚めたばかりの脳みそが、早くもグルグルし始めます。

第3の愛の記念日「オレンジデー」

4月14日をオレンジデーにしよう!というのは、なんでも愛媛の柑橘農家さんの発案によるもののよう。オレンジには「花嫁の喜び」という花言葉があることや、ヨーロッパでは「愛と豊饒のシンボル」とされることなどが由来となったそうです。

(以下、wikipediaより抜粋)
発案の由来は、オレンジが「花嫁の喜び」という花言葉を持つことである[2]。また、オレンジは花と実を同時につけることからヨーロッパでは愛と豊穣のシンボルとされ[3]、オレンジの花は花嫁を飾る花として頭につけるコサージュに使われる[4]。これに着目した企業等が、バレンタインデーホワイトデーに続き2人の愛を確かなものにし、オレンジやオレンジ色のプレゼントを贈る日としてPRしている。なお、こうしたことから、「第3の愛の記念日」と表現されることもある

第3の愛の記念日、かぁ。ならば、そこから1ヶ月後の「マーマレードの日」は、第4の愛の記念日?だったらいっそ、毎月14日を愛の記念日にしちゃえばいいじゃん。夫婦の日(22日)に夫婦で仲良く、フーフーしながらアツアツのラーメンをすする「味千ラーメンの日」みたいに、14日にいろんな飲食店がこぞって、愛の定食とかつくればいいじゃん。とかよぎったところで、脳内には松崎しげるさんの「愛のメモリー」がリフレイン。今日は、しげる記念日になりました。

マーマレードを考えよう。

ところで。「マーマレードの日」を制定したのは、日本最大の柑橘類の産地 愛媛県の団体で、マーマレードの美味しさや魅力を発信することが目的だったようなので、今日は純粋にマーマレードを楽しむことにいたします。

マーマレードについては諸説あり、ポルトガルで西洋カリンの一種でマルメロと呼ばれる果実を用いた砂糖漬けやジャムが「マルメラーダ」と呼ばれていたという説のほかに、スコットランドの王女に由来する説などもあるそう。現在では、マーマレードといえば柑橘類の果皮と果肉を使ったジャムを指すことが多いようです。

うちの母もよくマーマレードを作る人で、冬場など近所の農家さんにいただいたみかん類が増えてくると、夜な夜なみかんの皮を刻み、コトコト煮詰めていたものでした。我が家の場合は、果肉を食べたり、果汁だけしぼってジュースとして飲んだりしていたので、記憶に残る母のマーマレードは果皮と砂糖だけのやや固め。独特のほろ苦い味わいが残っていて子どもの頃はマーマレード自体が苦手だったのですが、大人になっていろいろなジャムのつくりてさんと出会い、果汁の使い方や果皮の下処理次第で苦味がやわらぐことを知ってからは、マーマレードが大好きになりました。以来、無農薬のみかん類をたくさんいただいたときなどは、マーマレードを仕立てます。春から夏は甘夏みかん、次は晩柑、秋は柚子、冬は不知火というように。四季折々の自家製マーマレードを楽しめるのは、天草の地の利と農家さんのおかげだと、つくるたびに実感するのです。

柑橘ひとすじ60年。
大矢野島の「みずの果樹園」

そもそも、天草諸島は一年を通じて柑橘類が実る島。温暖な気候と日当たりのいい斜面を生かし、季節にあった柑橘類が栽培されています。

大矢野島の高台で1960年から、柑橘類を栽培する「みずの果樹園」もそのひとつです。先代が早生温州みかんの栽培をはじめたのを機に、甘夏や晩柑、デコポン、パール柑など、試行錯誤を重ねながら、さまざまな品種の柑橘を栽培しています。収穫した果実がおいしい状態に熟成するのを待って出荷するのが「みずの果樹園」流。ですが、熟成した果実のなかには、見た目が劣るなどの理由で出荷を控えるものもありました。自社の出荷基準に満たない果実でも、味わいは極上。これを無駄にせず、お客様に喜んでいただける形でお届けしたいと考えた水野さんは、自家栽培の柑橘をつかった加工品の開発を始めました。シャーベットやゼリー、むき身にジュースなどいくつもの加工品を味わせていただくなかで、特に印象的な味わいだったのが、「柑橘から生まれた肉に合うジャム」でした。

4種の柑橘の個性が調和する
スパイシーな大人のジャム

このジャムに使われているのは、水野さんの果樹園で栽培されている4種類の柑橘です。

1つめは、「完熟のパール柑橘」。
熊本県のブランド果実で、真珠のようになめらかな見た目をしていることからその名がつきました。甘みと酸味のバランスがよく、若いうちは果肉を取り出しやすいので、サラダなどに入れてもおいしく味わえます。完熟のパール柑は薄皮をむいているそばからしたたるほどの果汁があふれ、甘みと香りを楽しめます。

2つめは、「加温天草」。
清見と温州みかんをかけ合わせて生まれた「天草」という新しい品種のみかんは、果汁が多くて濃厚な甘みが特徴です。みずの果樹園では、ハウスで加温し水の管理を行うなどの管理を行うことで、コクを感じる甘さの天草を栽培しています。

3つめが、「河内晩柑」。
熊本市河内町で偶然生まれた品種で、春先から収穫がはじまります。その見た目から、和製グレープフルーツとも呼ばれ、さわやかな香りとすっきりとした甘みが特徴です。「あまくさ晩柑」としてつくられているところもあります。

4つめは、「不知火」。
2月から4月にかけて収獲される柑橘類で、頭にこぶのような凸がついています。やわらかな果肉と、ほとばしる果汁、深い甘みが特徴です。不知火のなかでも糖度13度以上で、クエン酸の含有量が1パーセント以下であることなどの基準を満たしたものだけが、「デコポン」という商標を名乗ることができます。

4つの柑橘類を使ったマーマレードというだけでも特別な気がしますが、「肉に合うジャム」の特徴はそれだけではありません。こちら。お気づきでしょうか?

とろっとしたジャムのなかに、黒い点々が見えますよね。これ、スパイスです。もちろん保存のきくジャムタイプなので、甘みもついてはいますが、スパイスがきいている分、奥行きがあってあきのこない味。

鶏肉や豚肉などを焼く際に隠し味として使うと、肉のやわらかさとうま味を引き出してくれます。このジャムと自家製ヨーグルトとカレースパイスで漬け込んだタンドリーチキンは、家族にも好評です。

パンはもちろん、クラッカーやヨーグルトなどにトッピングしてもおいしくて、まさに大人のジャムといった感じでしょうか。

今夜は、クリームチーズと混ぜて、「LIFE FOODS DEPARTMENT 食べる生活百貨店」の「玄米クラッカー」にのせてみました。ブラックペッパーをちょい足しするのがポイントです。キレのある味わいが、お酒のつまみにぴったり!

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いろんな食材との組み合わせを楽しめるので、会話もはずみそう。まさに、第4の愛の日⁉︎にふさわしい一品かもしれませんね。

みずの果樹園
http://mizunokazyuen.com/


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肉に合うジャム、こちらでもご購入いただけます


「天草諸島の食卓」
鶴屋百貨店 地下1階「ふるさと家」

5月1日〜5月31日まで開催中

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