【No.040 誰かの仕事】
見頃を迎えた花しょうぶ。各地のしょうぶ祭りは軒並み中止のようですが、せめてその花姿を目に留めておきたくて、仕事の前にちょっと寄り道。棚田のしょうぶは今年も変わらず凛として美しく、朝からご褒美をいただいた気分です。
戻りしな、少し離れたところにある育苗ゾーンに一台の軽トラが止まりました。蕾がふくらみはじめた育苗ポットをみつくろっては、2つ3つと荷台にのせていく男性。「全部一斉に咲きそろうわけじゃないけんね。花の咲かんとや、咲き終わったとがあると見苦しかでしょ」。にこやかに軽トラに乗り込み、棚田ゾーンへ走っていきました。
そういえば、すれ違いざまに挨拶を交わしたウォーキング中の方が「しょうぶなら○○にもあるよ。あっちが密集して咲いてるし、座って眺めるだけでホッとするけん、お茶でも持ってのんびりすっとよかですよ」と教えてくれたのですが。その後に「でもね、向こうは摘む人がおらんけん、枯れたのもそのままになっとる。そういう意味ではこっちもいいよね」と一言、付け加えておられたのを思い出しました。
花しょうぶって、毎年時期になれば咲くものだと思っていたけれど。見事なあの景観が実は、こうしたこまめな植え替えによって形作られていることに思いも及ばなかった自分がちょっと恥ずかしくなった朝。
その風景は、誰かの仕事でできている。
今日も学び多き日になりました。
2020.06.03 小満 末候 麦秋至(むぎのときいたる/ばくしゅういたる)
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