No.011 海で見つけた、緑の巨人

【No.011 海で見つけた、緑の巨人】

今日は「みどりの日」。ということでちょっぴりマジメに、海辺のみどりネタをひとつお届けしてみます。

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ご存じでしょうか?私たちが生きていく上で欠かせない酸素の多くが、海の植物によってつくられているということを。

海面に近いところに住む植物プランクトンや海藻、珊瑚といった海の植物も、海面から差し込む太陽光を浴びることで体に取り入れた水と二酸化炭素から酸素をつくりだす「光合成」を行います。こうしてつくられる酸素はなんと!地球全体の酸素のうち2/3近くにのぼるのだそうです。

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海の植物にはもうひとつ、大切な役割があります。それが、魚介類や多様な水生生物を育む「海のゆりかご」的な役割です。海藻のしげみは波や潮流による水の動きをやわらげ、ときに産卵場所となったり、魚介の赤ちゃんが外敵から身を守る隠れ処的な役割を果たします。つまり、海の生態系を守り、ゆたかな漁場を育むのにも、海のみどりは欠かせない存在ということになりますね。

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ですが近年、沿岸部では「磯焼け(いそやけ)」という問題が取り沙汰されるようになりました。海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなる現象です。こうした変化にいち早く気づき、行動をはじめているのが、天草をはじめ、日本各地の沿岸部に暮らす漁師さんたちです。近年では、「ゆたかな海を取り戻そう!」と、漁師さんや未来の海の担い手たちによる「藻場再生(もばさいせい)」の取り組みも各地で行われるようになりました。

海を生業にする人だけでなく、この世に暮らすみんなの課題として、「海のみどりを守ること」について考えてみたいものですね。いつか、日本各地の沿岸部をつないで、海の基金と藻場再生ダイビングのようなことができたらいいな^^

(※医療現場の機能維持と感染拡大予防のため、来島自粛が呼びかけられている天草。特にこの連休中は、海辺のレジャーも禁止されているため、思い出写真よりピックアップしています)

2020.05.04 穀雨 末候 牡丹華 (ぼたんはなさく)

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