台風の日は、料理に限る。「やまするめのきんぴら」

台風一過。

予想が二転三転し、直撃か?上陸か!?東シナ海側からくる台風って一番まずいルートじゃない!?とハラハラし通しだった今回の台風。少しずつ北西寄りに進路が変わっていったおかげで、万全を期した台風養生もやや肩透かし気味に終わりました。

寄せていた植木鉢や、おろしていた物干し竿、閉じていた雨戸を元に戻しつつ、秋の風を満喫した午後。「台風の日は出歩かない」が鉄則なので、今日は家のなかにある食材を使い、ひたすら常備菜づくりに励みました。

干しタケノコで常備菜

今日使ったのは、乾物棚に眠ったままになっていた干しタケノコ。

春に掘ったり、もらったり、一度にどさっと集まるタケノコを天ぷらや煮ものにカレーとアレコレ楽しんではみたものの、さすがに毎日食べていると飽きてくるもので。そもそもこんなに雑多に消費するのももったいないなと思いはじめ、アク抜き&下茹でし、天日で干してストックしていたのでした。やがて春が終わって夏が来て、そして秋になり。その存在自体をすっかり忘れていたのですが、週末、ひょっこり見つけたときのうれしさったら!

梅雨前の草刈りで見つけた天然キクラゲも同時にひょっこりと。台風の日のたいくつしのぎに最高の素材が見つかりました。

干しタケノコは軽く水洗いして水に浸け、やわらかくなるまで戻したら、圧力鍋へ。10分ほど圧力をかけてあとは余熱でOK。しんなりしたものを細切りにすれば下ごしらえの完了です。

乾燥キクラゲ(正確にいうと、木についたまま乾燥していただけですが)は、こちらも水にひたしてしばらくおいておくと、ツヤツヤのプリップリの状態に。こうしてみるとだいぶ肉厚ですね。こちらも干しタケノコと同じくらいの細切りにしてみました。

細く刻んだ干しタケノコは出汁とともに鍋のなかへ。夏から秋へ、季節の変わりめはなにかと体調も崩しやすいので、滋養をつけたくて新生姜も刻んで加えました。コトコト煮て、少し水気が減ったところで、赤酒と砂糖、塩、醤油で味を整え、煮含めていきます。

だいぶ汁気が減ってきたら、刻んでおいたキクラゲを投入。全体に味が染み込むようにかき混ぜながら、さらに煮含めて、汁気がすっかりなくなったら完成です。

出汁をきかせ、やや甘辛いしっかりめの味付けにするとごはんが進む一品に。今回は、昆布と椎茸と鯖節でとった出汁を使い、旨味たっぷりに仕上げました。今回バージョンで加えてみた新生姜も、なかなかいいアクセントになりました。

あと数日もすれば十五夜。
月見酒のアテにでもしましょうか。

処暑 末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)

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