【No.038 解禁のバケツリレー】

過日のこと。港をウロウロしていたら、何やら船に人だかりがありました。近づいてみると、若い漁師たちがバケツリレーで漁船にタコツボを積み込む作業をしています。実は、毎年6月1日は天草の沿岸部でタコ漁が解禁される日。「時化の具合もあるけん、その日からできるとは限らんけど、準備だけはしとかんば」と漁師さん。あれれ？他にもなんだか見慣れた顔が？と思ったら、地元の養豚家さんや蒲鉾職人さんも積み込みの手伝いに来ていました。漁の前や後の活気にあふれた漁港って、本当にいいものですね。

ところで、梅雨から夏にかけて最盛期を迎えるタコ壺漁。全国的にも年々漁獲が減っていると言われていますが、今年はどうなるでしょうか。沿岸部が浚渫されて産卵場所が減ったことが原因だとか。木材価格の低迷で山主さんたちが山に手を入れられなくなったり、水温が変わったりと、海の環境変化の著しさが原因じゃないかとか。いろんな話を聞きますが。海を生業にする若者たちはもちろんのこと、海とともに生きるすべての人たちの未来をひらく、共生の術が見つかることを願ってやみません。

2020.06.01 小満 末候 麦秋至（むぎのときいたる/ばくしゅういたる）

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