【No.017 すずと小鳥とわたし】

雨上がりの朝を待ちわびていたように、野鳥たちがさえずりはじめました。小さなサクランボの実も、雨をまとうとちょっぴりあでやかに見えるから不思議です。だからでしょうか。さきほどから、向こうの木にとまっている小鳥の視線を感じる気がします。鈴なり、とはいかず、ちょっとしか実らなかった今年はせめて見逃してほしいものですが。

でも、小さくても必死に赤く色づくサクランボを見ていると、小鳥に食べられることで広く子孫のこそうとしているのかもとも思ったり。だとしたら、狙っている小鳥にもお礼を言わなくちゃ・・・なんて思えるほど、できた人間じゃありませんでした。私（苦笑）

　　すずと、小鳥と、それからわたし
　　みんなちがって、みんないい
　　　　（金子みすゞ著「わたしと小鳥とすずと」より）

2020.05.10 立夏 次候 蚯蚓出（みみずいずる）

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