川端水産再起への一歩

天草諸島の西の端、羊角湾のほとりにたたずむ「川端水産」を訪ねました。軒先で出迎えてくれたのは、シーグラスや貝殻で彩られた看板。それは、被災から立ち上がろうと踏ん張る父を応援するために、娘さんが紙粘土で手作りしたものでした。「娘のサプライズです」と照れ笑いする川端さんの言葉にこの半年のご一家の葛藤が重なって、思わず涙腺がゆるみました。

<あと13日!「川端水産」の再起をかけたクラファン>
https://camp-fire.jp/projects/view/335687  


 
手作り看板が掲げられているのは昨年、改築された加工場です。父とともに漁師一本で家族を支えてきた川端さんは、持続可能なスタイルの獲る漁業にたずさわる傍らで、魚のフィレやフライなどの直販も行っていました。そして2019年から新たに挑戦をはじめたのが、獲れた魚を無駄なく味わう加工品の開発です。

Ama-biZを通じてご相談いただき、天草の食材を生かすフレンチシェフ「Picasso」の松田さん監修のもと、定置網漁で獲れた四季折々の鮮魚を使った「漁師のリエット」が完成しました。一般的なリエットは豚肉を用いたペースト状の料理なのですが、こちらは四季折々の魚を用いた魚のリエット。刺身で食べられる鮮度の魚を用いることで、魚の生臭さが苦手な人もおいしく食べられるものに仕上がっています。天草でハード系のパンを手がける「Boulangerie Pane」さんにもご意見をいただき、天草が誇る日本一の出汁原料・雑節と、アオサ、そしてトマトの3種類の味わいが完成しました。

「さあ!皆さんにお知らせするぞ!」と思った矢先にやってきたのが、昨秋の台風9号です。漁具や漁具倉庫が壊滅的な被害を受けて定置網漁ができなくなり、リエットのリリースどころではなくなってしまいました。
被害総額は500万円を超え、脳裏に一度は廃業の文字も頭をよぎったそうですが、家族や漁師仲間たちの支えもあり、川端さんは定置網漁を再開する決意を固めています。

その再起の気持ちを後押しするかのように先月、うれしい便りが届きました。それは、「料理王国100選」2021年の認定商品に選ばれたというものです。

<2021 料理王国100選>
https://ck-inc.net/100item/2021/https://ck-inc.net/100item/2021/19

料理界のトップシェフや敏腕バイヤーなど、食の分野で活躍する23人が審査員をつとめるコンテストなだけに、その品質は間違いなく、折り紙付き。あとは、がんばって漁具を補修して、漁を再開するだけです。

※エントリーはリブランディング前の状態。
パッケージの形やデザイン、価格も変わります。

天草諸島の営みの核だった水産漁業。少子高齢・過疎化が顕著な沿岸域の漁村では、漁師の後継者が不足し、港に停泊する漁船の数も激減しています。食卓の魚離れは深刻で、魚価は下がる一方。飲食や観光の動向をモロに受け、この1年は水産漁業も大きな打撃を受けています。

ですが、気候変動やコロナ禍で食卓や一次産業のあり方が見直される今だからこそ。やれることがあるはずだ!と強く強く、感じています。信じています。

「子どもたちにゆたかな海の営みをつなぎたい」

「すこやかな日本の食卓を支えたい」

「魚食を通じて持続可能な日本の食文化を考えたい」

そんな思いでサポートさせていただいている、「川端水産」の再生プロジェクト。

実は昨日、強力なサポートメンバーの仲間入りが決定しました。数々のロゴやパッケージ、空間デザインを手がける、デザイナーの吉本清隆さん。水俣や津奈木、小国など、地域やつくり手の日常をうつすデザインにも定評のある吉本さんに、天草の持続可能な漁業を応援していただけるのは本当に心強いです。実際に現地に足を運んでいただき、川端さんの加工場や入江の風景、山と海がつながっていることを実感できる漁場の風景などを見て回りました。

漁師のリエットがどんな顔とどんな道のりで皆様のお手元に届くのか。どうか、楽しみにお待ちください。きっと素敵な逸品になるはずです。一緒に見守り、食卓へのお届けを応援していただけるバイヤーさんからのご連絡もお待ちしています!(冷凍です。業務用もあります)

<「川端水産」の再起をかけたクラウドファンディング>
https://camp-fire.jp/projects/view/335687