月の暦とともに生きる人 /エラさんちの和食ぶし

満月のエナジーに満ちた天草へ。

その人は、今日も月の暦とともに生きています。
「月ん晩にゃ魚も入らん」それは島の沿岸域に暮らす人々にとって常識みたいなもの。こうこうと輝く満月に照らされた海では、常夜灯で魚を操る漁ができなかったり、網も見通せるために魚が入りにくかったりするようです(魚種や漁場によってはこの限りではありません)。資源保護を目的に、満月の前後3日間は休漁としている港もあるそう。


原料となる魚の水揚げが少ないために、魚の節をつくる工場もいつもよりややゆったりとしています。近年は冷凍技術も進歩しているために、さすがに完全休業とはいかないようですが。普段は工場の管理から水揚げされた魚の手配など、夜明け前から日暮れまで気を張り詰めっぱなしの江良さんも、少しだけゆとりのある日。昨日はほんのすきまの時間をわけてもらい、お話を聞かせていただくことができました。

日本の和食を支える港で生きること。
原料となる魚のこと。
技術や設備の進化とともに、うまれた工夫とうまれた苦労。
変わることのない、思い。



これを次代へつなぐため、どんな形でお届けするかはもう少し練っていこうと思います。今年度中には、はるかなる天草を味わう旅のコンテンツに仕立てていくのが目標です。「鶴屋百貨店ふるさと家」の一角にあるシマノタネセレクト棚でも、「エラさんちのわしょくぶし」をラインナップしております。江良さんが手がけたサバとアジとウルメイワシの節を使い、熊本の削り節のプロ「削りぶしのやまいち」が仕上げた、使い勝手のいい和食ブレンド。おでんや煮物、お味噌汁、ちょっとお醤油をたらしておかかおむすびに。食卓を支える万能な一品です。

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